平成23年度の経営事項審査の改正情報

平成23年度は小幅な改正となっておりますが、技術職員数評点Z1やその他審査項目(社会性)に関する評点Wについては重要な事項が含まれています。

なお、総合評点計算式は変更ありません。

P=0.25・X1+0.15・X2+0.2・Y+0.25・Z+0.15・W

審査基準の主な改正点について

1.工事種類別年間平均完成工事高評点(X1)

建設投資の減少により、減少傾向にあるX1評点について、制度設計時の平均点(700点)になるよう補正が加えられました。年間平均完成工事高(2年平均または3年平均)規模に応じた改正後の評点テーブルは、現行評点テーブルに700/687.56を掛け合わせ、平均点で約12点の上昇となります。

2.自己資本額及び利益額に関する評点(X2)

改正に伴う変更はありません。

3.経営状況分析評点(Y)

改正に伴う変更はありません。

4.技術職員及び元請完成工事高に関する評点(Z)

①技術職員数評点(Z1)

評価対象技術者の要件について、「 審査基準日以前に6カ月を超える恒常的雇用関係のある者」と限定されました。 また、「高齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)」に規定される継続雇用制度により再雇用された技術職員について、雇用期間が限定されている場合においても、評価対象技術者としてカウントされることになりました 。

改正に伴う技術職員数に応じた評点テーブルに変更はありません。

②年間平均元請完工高評点(Z2)

建設投資の減少により、減少傾向にあるZ2評点について、制度設計時の平均点(700点)になるよう補正が加えられました。年間平均元請完成工事高(2年平均または3年平均)規模に応じた改正後の評点テーブルは、現行評点テーブルに700/608.59を掛け合わせ、平均点で約91点の上昇となります。

5.その他審査項目(社会性)に関する評点(W)

①再生企業に対する減点措置

再生企業は、債権カット等により地域の下請企業等の経営に大きな影響を与えており、マイナス評価なしの公共工事への再参入に対する批判が高いことから、減点措置が取られることになりました。

・再生期間中は「営業年数」評価の最大値である60点を一律に減じて評価
・再生期間終了後の「営業年数」評価はゼロ年から再スタート

②建設機械の保有状況

地域防災への備えの観点から、厳しい経営環境が続く中で多くの負担を伴う建設機械保有について、評価項目に追加されました。

評価対象となる建設機械は、「建設機械抵当法施行令(昭和29年政令294号)別表に規定されるショベル系掘削機、ブルドーザー及びトラクターショベルのうち、以下の条件を満たすものが評価対象となります。

・自ら所有して使用するもの
・リース契約により、審査基準日後から、1年7カ月以上の使用期間が定められたもの

例)建設機械保有台数
5台 →Wにおいて 5点加点(P点換算7.125点)
10台 →Wにおいて10点加点(P点換算14.25点)

③受発注者双方の事務負担軽減を図るため、現在、多くの都道府県等において発注者別評価点で評価される、ISO9000シリーズ(品質管理)、ISO14000シリーズ(環境管理)取得業者は経営事項審査において評価されることになりました。

ISO9000シリーズ・ISO14000シリーズ取得企業
1規格→W点において 5点加点(P点換算7.125点)
2規格→W点において10点加点(P点換算14.25点)

④評点項目の追加により、総合評定値(P点)に占めるW点のウエイトが突出しないようにW点の合計点に190/200を掛け合わせ、評点が一定圧縮されます。

W評点の最高点は、現行175点が改正後190点となります。

虚偽申請防止対策

経営事項審査の虚偽申請防止対策が強化されます。

経営状況分析機関が実施している異常値確認の基準が見直され、また、一定基準に該当する申請については審査行政庁に直接情報提供する仕組みが創設されました。

各審査行政庁が実施している完工高と技術職員数値の相関分析についても、基準値の修正が行われ、その情報と経営状況分析機関からの情報を活用し、重点審査企業を選定し、重点審査(証拠書類の追加徴収、原本確認、対面審査、立入等)を実施します。

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